夜道いろいろ
ガソリンを 入れに出かけて 首都高 走りたくなる 運転大好き
地元のバイパス走ってると、宇宙を突っ切ってる気がする。
でも、田舎のバイパスって、ひたすら直線だからねー。
首都高のぐるーっとまわるのが好き。
この前、山手トンネルで事故があったばかりだけど。
首都高は、走ってる時より渋滞の時のほーがドキドキする。
渋滞に嵌っていく最後尾、とか特に。
あー、停まってるー、って思うとハザードランプつけるけど、それだけじゃ心配で、小刻みにブレーキペダル踏んでブレーキライトを点滅させる。
こーいうの、教習所じゃなくて、免許取る前にいろいろお父さんから教わった。
子供の頃からお父さんの車の助手席に乗ってたから、マニュアル車のシフトチェンジのタイミングとかも見て覚えた。
うちのお父さんはいろいろとDQNだけど、F1ドライバーになったらぜったいすごい成績残せたと思う。
運転が、頭で考えてから、っていうんじゃなくて、動物的勘、だから。
お父さんの運転って、技術っていうより、なにも考えてない呼吸みたい。
お父さんの車は、ぜったい酔わない。
ブレーキングに無駄なGがかからないから。
息するよーに、どんな急カーブもスルッて曲がってく。
まわりがどんなDQNな運転してても、その合間をするするーって通り抜けていく。
元旦の暴走族の、のろのろした日の出暴走も、お父さんはその合間、するするって抜けて、なんかすごい暴走族と一体化して通り抜けちゃう。
暴走族もぜんぜん怒ってないし。
っていうか、窓あけて、
「どこまで行くんだよー」
とか、並走してた暴走族に聞いてたし。
そーいうのが、いつも、うちの年末ドライブだった。
そーいう、お父さんの運転見て育ったから、首都高ってすごい走りやすい、って思った。
だから私は免許取ってすぐに、毎晩首都高走って、運転の練習した。
夜の首都高は渋滞がないからねー。
でも、その分、みんなすごいスピード出してて、その合間を走るの緊張するけどねー。
首都高のすっごいカーブのとこで、シフトチェンジのタイミングって掴んだ。
コーナーに入る時、ブレーキはぜったい踏まないでシフトダウンしてエンジンブレーキで減速する。
それでコーナーに入ってから時、アクセルペダル踏みこんでって、車体を安定させてハンドルを自然に流す。
コーナー抜けるぐらいからアクセルペダルを少しずつ深く踏み込んでって、抜けた時、スムーズに繋げてまっすぐに加速する。
そーいうの、頭、じゃなくて、お父さんが「ここでギアを※にいれて」とかって教えてくれてたから、そのとーりにやると、9号線のきついコーナーもすっごい自然に曲がれた。
首都高は、車との一体感、っていうの、すごい楽しめるから好き。
べつにスピード違反しなくても。
夜空が澄んで綺麗な寒い季節になると、星のぴかぴか見てたら、夜景のぴかぴかも見たくなって首都高走りたくなる。
夜の道、運転してると夜景や夜空がきれいすぎて、なんか泣きたくなる。
でもほんとに泣いたりはしないけど。
ときどき、すごい泣きたくなる。
でも泣けないし。
あの「泣きたい」っていうのが、悲しいのかなんなのかもわかんない。
だけど、夜空見てると、ほかのいろいろなこと、考えなくなる。
仕事のこととか。
車とか自転車でいろいろ走るの、好き。
その光景に心奪われて、考えたくないこと、心から消えるから。
その時だけでも、一瞬でも、消える、から。
夕方、はてな書いてから、マヨちゃんと夕ゴハンしてきた。
マヨちゃんはキャバの出勤前だったから、そのお店の近くのジョナサンで。
ジョナサンに歩いてく時、道の端っこにテーブルだしてた占いのおばさんにふたり、声かけられた。
「ちょっと、ちょっと、あなた、大変よー」
っていう声かけられたのが最初。
その占いおばさん、マヨちゃんのほー見て、
「このまま年とったら大変なことになっちゃいますよ。まだ独身でしょー?このままじゃ、結婚できないまま年とっていくのが見えますよ」
って言った。
それから私見て、
「あなたは5年後が危ないわね。あらら、あららー。5年後、あなたはいないことになってる!」
ってすごい叫ばれた。
「このままじゃ危ないですよ」
っていうの、占いっていうよりなんかの霊感商法、って私は思ったから、おばさんに話しかけられても黙ってた。
マヨちゃんは、
「ハァ???????」
って、すごい声あげて反応してたけど。
占いおばさんは、マヨちゃんは今はすごい可愛いけど、このままだと20年後、大変なことになってるって。
「ハァ???????」
って、マヨちゃん、またすっごい声あげた。
「20年後、って、あたし、42歳だけど。そりゃ大変でしょ!42だよ!すっごいババァでしょ!」
って、言い返した。
「でも、おばさんのほーが大変だよね!20年後、おばさん、年金もらえてないよ!あたし、おばさんの未来、見えたから!」
ってことも、言い返してた。
そしたらおばさん、私のほー見て、
「あなたも40代になったら大変よー。あなた、その時は結婚してるけど、あららー、子供が大変なことに!」
って、言われた。
「えー、今、5年後、私はいないってことになってるって言ったばかりじゃないですかー」
って、私も言い返したし。
ものすっごい突っ込みどころ満載の、あやしすぎる占いのおばさんだった。
そしたらおばさん、とぼけて、
「あなたたち、20年後、ほんとーに大変よ。そのままだと知らないわよ」
って、なんか脅し続けてきた。
20年後、なんて、だいたいの若い女、大変なことになってるし。
若い女、が、おばさん、になるからねー。
すごい大変な変化だよねー。
って私は思って、占いおばさんを睨んでた。
そしたら、マヨちゃん。
「20年後になにが大変なんだよー!あたしは20年後に垂れるおっぱいもないんだからねー!おっぱい垂れなきゃ怖いもんなんてないんだよー!Aカップは20年後もAカップなんだよー!!!!!!」
って、繁華街の道の真ん中で、すっごーい叫んだ。
マヨちゃん、世界のすべてに勝ってた。
そしたら、道でチラシ配ってた黒人のオニーサンから、すごいスマイルで、私とマヨちゃんにチラシ渡された。
見たら、近くにできたメンズショップのチラシだった。
「Aカップはなー!男じゃねーんだよ!日本ではなー!!!!!!!!!!」
って、マヨちゃん、そこでも遠吠えして、それからジョナサンに行った。