酔うとえっち
なんでかな お酒を飲むと えっちいな 気分になっちゃう 飲むのはキケン
火曜は夕勤なかったから、ベンダーの人と飲みにいった。
カクテル飲めるお店探してくれるって言ってたから、どこかの居酒屋だと思ったら、友達とは行ったことないオシャレな店だった。
ビルじゃなくて一軒だけのお店で、ぜんぶ木調の建物。
中に入ると薄暗くて、バラバラに向いたテーブル席があって、奥にカウンターがあった。
ひざ下ぐらいの長い黒いエプロンしたウェイターが来て、席に案内してくれた。
テーブルにはキャンドルが置いてあった。
「このお店、どこで調べたんですか」
って聞いたら、同じベンダーの人に教えてもらったんだって。
「ここ、食べ物がいいらしいよ」
って言われたから、メニュー見たら、フツーの居酒屋にはない、いろんな料理があった。
それで、最初は、フツーのモヒートじゃなくて、カンパリモヒートっていうのを頼んでくれた。
緑じゃなくて赤いの。
カンパリってのは苦いリキュールらしくて、この赤いモヒートもフツーのより苦かった。
でもおいしかった。
それから、オツマミとゴハンもの取ってくれた。
豚肉の竜田揚げみたいなのに、サルサソースみたいな赤くて辛いソースかけたのがすごくおいしかった。
ゴハンものは、韓国風のリゾットで、韓国海苔の風味がきいてておいしかった。
モヒートのほかにもいろいろバーテンの人にカクテル作ってもらって、いろんな味のを飲んだ。
カクテル、おいしい。
バーテンダーが作ってくれるカクテルって、居酒屋のとはぜんぜん違う。
「カクテルはアルコール結構きついから、飲み過ぎないようにね」
ってダリさんに言われたけど、何杯か飲んだ。
ダリさんって、ベンダーの人の仮名。
中学の時から美術が好きで、ダリの絵が一番好きって言ったから、ダリ。
サルバドール・ダリって、チュッパチャプスのデザインもしてるんだって。
そのお店は11時閉店で、閉店までいた。
「まだ一緒にいたいな」
って言われたから、
「まだ帰らなくてヘーキですよ」
って言った。
そしたら、手を繋いできた。
「今夜は帰したくないな」
って言われた。
「ラブホ行くんですか?」
って聞いたら、
「行ってもいい?」
って聞かれた。
ダリさんは、うちのお店に来ると店員といろいろ喋る。
ぜんぜん喋らないベンダーの人もいるから、喋る人のほうが店員にはウケがいい。
ダリさんは深夜の納品で来るベンダーだけど、夜勤に入るおばさんの人たちには男のベンダーはすごい人気がある。
ひとり、すごい人気のベンダーがいる。
この人は30代の人で、来ると必ずお喋りしていくけど、カトリーヌさんとかアンジェラさんとかはこのベンダーをゴハンに誘ってる。
「ここのおばさんたちから、すげーゴハン誘われるんだけど」
って、私とか夜勤の男子にいつも苦笑して言ってる。
「行けばいいじゃん」
って笑って聞いてるけど、私はこの人、チャラいからあまり好きなタイプじゃない。
ダリさんは、よく喋るけど、人気あるベンダーより年上の37歳で、見た目もフツー。すごいおじさんっぽくはないけど、若いってわけでもない感じ。
背もそんなに高くなくて、ヒールの高いサンダル履くと私のほうが高くなる。
人気あるベンダーの人より地味で、チャラくはない人。
私は、別に好きでも嫌いでもない、って感じの人だった。
でも、カクテルで酔っちゃってたから、えっちしたい気分になってた。
私は、酔うとえっちしたくなる。
だから、ダリさんから誘われた時も、えっちしたい気分になって
「いーよ」
って言って、ダリさんとラブホに行った。
ダリさんに恋愛感情とかなかったけど、ラブホに行ったら、優しかったし、すごいえっちうまかったし、やっぱり私は年上が好き。
えっちして、そのまま寝ちゃって、私は朝勤だったから朝起きて焦った。
「仕事だから先帰るー」
って服着たら、ダリさんも起きてきて、
「送るよ」
って一緒に出てくれた。
それでタクシーで家まで送ってくれた。
そのあと、仕事行ったけど、まだすごい眠くて、帰ってからすぐ寝た。
起きてから、次郎君に悪いと思って、紹介してくれる友達のこと、メールして断った。